登録免許税(登記手続きの費用)

個人が土地又は建物を建築又は購入等したときは、所有権保存登記や移転登記等をします。
また住宅ローンを借りた場合、金融機関はそのマイホームへ抵当権を設定します。
このような登記をする際にかかる税金が登録免許税です。
登記の申請時に納付します。

登録免許税の計算

登録免許税 = 課税標準 × 税率

(注1)土地の売買による所有権の移転登記については、平成31年3月31日まで軽減税率により税額を計算します。
(注2)一定の要件を満たす住宅用建物については、軽減税率を適用することができます。

ここで「課税標準」というのは、原則として、固定資産課税台帳に登録された価額(固定資産税評価額)をいいます。
税率は、登記の内容により異なります。なお、表示登記には登録免許税が課税されません。

軽減措置と税率

平成31年3月31日までに行う土地の売買による所有権移転登記については1.5%に軽減されています。
また、一定の要件をそなえた住宅用の家屋については、所有権の保存登記や移転登記、抵当権の設定登記の税率が軽減されています。
これらの軽減措置と税率をまとめたものが下記になります。

① 新築

新築マイホーム軽減特例の要件
①個人が平成32年3月31日までに新築または取得した、もっぱら自分が住むための家屋であること。(自己の居住用住宅)
②新築または取得後1年以内に登記を受けるものであること。
③登記床面積が50㎡以上であること。
④マンションなどの区分所有のもの(一定の耐火性を有するもの)については、自己の居住用部分の床面積が50㎡以上であること。

② 既存住宅(中古)

中古マイホーム軽減特例の要件
①個人が平成32年3月31日までに新築または取得した、もっぱら自分が住むための家屋であること。(自己の居住用住宅)
②取得後1年以内に登記を受けるものであること。
③登記床面積が50㎡以上であること。
④マンションなどの区分所有のもの(一定の耐火性を有するもの)については、自己の居住用部分の床面積が50㎡以上であること。
⑤建築後住宅として使用された家屋で次のイ・ロのいずれかに該当すること
イ.建築されてから20年(耐火建築物の場合は25年)以内の家屋であること
ロ.築後年数にかかわらず新耐震基準に適合することが証明されたものであること又は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているもの(その家屋の取得の日前2年以内に契約の締結をしたものに限る。)

③ 相続・贈与

住宅ローンに対しての抵当権の設定

住宅ローンを組んだ場合に、金融機関はその住宅を担保として抵当権を設定し、登記します。
抵当権を設定しておくことにより、万が一、住宅を購入した人(債務者)が住宅ローンを返済できなくなったときに、その住宅を強制的に競売して住宅ローンを他の債権者より優先的に返してもらうことができることになっています。
それを主張するために、抵当権の設定登記が必要になるわけです。
抵当権には、順位がつけられており、住宅金融支援機構が、通常第一順位になります。
なお、住宅ローンの返済が完了した場合には、抵当権の抹消登記が必要になりますので、忘れずに行ってください。

Q&A

 マイホームの売買時の登記の種類はどのようなものですか?

 不動産に関する登記の種類は下記のとおりです。

表題登記(表示に関する登記)
建物の新築工事が完了して、建物が完成すると、建物の所在地番、構造、床面積などを特定する登記を最初に申請します。
この登記を「建物の表題登記(表示に関する登記)」といいます。表示に関する登記に必要な資料を作成する専門家を土地家屋調査士といいます。

所有権保存登記
登記記録の甲区(所有権に関する登記)に初めてされる所有権の登記で、所有者の住所・氏名のほか、新築の日付等が記載されます。

所有権移転登記
不動産を売買したときに所有権が売主から買主へ移転しますが、この登記のことを所有権移転登記といいます。
所有権移転の登記をすることで、買主は第三者に対して所有権を主張できる要件を備えることになります。

抵当権設定登記
抵当権とは、例えば住宅ローンの担保として提供された不動産に設定される権利で、目的物(この場合不動産)の所有者や使用者はそのままにしておいて、住宅ローンが返済されない場合に担保不動産から優先して弁済を受ける権利のことです。
この権利を明らかにするために行うのが「抵当権設定登記」です。金融機関を抵当権者、住宅ローンの借入者を抵当権設定者といいます。

 住宅用家屋証明とは?

 住宅用家屋証明
登録免許税の軽減の適用を受けるには、その建物が特例の適用を受けるものであることを証明した、市区町村長の「住宅用家屋証明書」が必要です。
証明書の申請は一般的に司法書士が申請者の代理者として行ない、市区町村から交付を受けます。

 登記手続きを代行する司法書士とは?

 司法書士とは、不動産登記などの代行をしてくれる登記代行の専門家です。
所有権の保存登記や移転登記、抵当権の設定登記などをするためには、一般的に司法書士に依頼することとなります。
登録免許税や印紙税のほか、手数料や報酬がかかります。
なお、建物の表示登記については、一般的に土地家屋調査士に依頼することになり、手数料や報酬がかかります。

 全部事項証明書(登記簿謄本)・登記識別情報とは?

 全部事項証明書
全部事項証明書とは、コンピュータ・システム(磁気ディスク登記簿)を導入している法務局で発行される登記簿謄本の代わりに交付される証明書のことをいいます。
全部事項証明書には、土地全部事項証明書と建物全部事項証明書があり、土地・建物それぞれに表題部、甲区、乙区が設けられています。

表題部(土地)
所在、地番、地目、地積、取得原因とその日付など
区分所有家屋の場合には、上記のほかに敷地権の目的たる土地の表示として敷地権の種類、割合など

表題部(建物
所在、地番、家屋番号、種類、構造、床面積、取得原因とその日付など
区分所有家屋の場合には、上記のほかに一棟の建物の表示と専有部分の建物の表示として、建物の名称など

甲区(所有権に関する事項)
所有者の住所・氏名・登記の目的・取得年月日と取得原因

乙区(所有権以外の権利(抵当権設定など)に関する事項)
登記の目的・原因・権利者など


全部事項証明書の取り方
土地や建物の全部事項証明書は、法務局で誰でも交付を請求することができます。(登記印紙で手数料の納付が必要になります)
土地や建物の全部事項証明書の請求をするときに注意しなければいけないのは、土地は地番、建物は家屋番号で請求することです。
地番や家屋番号は住居表示(住所)と必ずしも一致するものではありませんので、あらかじめ確認しておきましょう。


登記識別情報
従来は不動産登記が完了したときに、登記済みであることの証明として「権利に関する登記済証」(いわゆる「権利書」)が登記名義人に交付されました。
しかし、現在は、権利書を交付する制度に代わり「登記識別情報」を登記名義人に通知する制度に全面的に移行しています。
この「登記識別情報」とは無作為に決められた12桁の英数字で、その不動産の登記名義人の本人確認のための資料です。
今後不動産を売却したりするときはこの「登記識別情報」を提供する必要があるので、「登記識別情報」は、誰かに盗み見られたり紛失することがないよう金庫等に保管するなどして、しっかり管理することを心掛けてください。
なお、登記識別情報が通知されていない不動産については今までどおり発行済の権利書が登記申請の際に必要です。

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