不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を売買・贈与で取得したとき、又は新築・増築したときに都道府県が課税する地方税です。

課税対象
売買・新築・増改築・贈与・交換他

(注)相続は非課税

課税される者
上記の理由で不動産を取得した者

課税する者
都道府県

納税方法
各都道府県税事務所等から送付される「納税通知書」により、納税通知書に定められた日(各都道府県により異なりますが、おおむね通知が到着して1か月後くらいです)までに納付します。

※納税通知書は所有権移転の登記をしてからおおむね4~6か月後になります。
※住宅を新築した場合などは、価格決定手続きが必要となりますので、さらに時間がかかります。

納税する場所
銀行などの金融機関、県税事務所の窓口、コンビニエンスストア

不動産取得税の計算

不動産取得税 = 課税標準(固定資産税評価額) × 税率

ただし、特例により以下のとおり標準税率が軽減されます。

税率  ※特例期間(平成33年3月31日まで)

なお、居住用超高層建築物(高さ60mを超えるいわゆるタワーマンション)の専有部分の取得に係る不動産取得税については、固定資産税と同様に、階層に応じて税額に差を設ける措置が講じられています。

宅地の課税標準の特例  ※特例期間(平成33年3月31日まで)

宅地の課税標準 = 固定資産税評価額 × 1/2

新築マイホームおよびその敷地の軽減特例

中古マイホームおよびその敷地の軽減特例

特例軽減の手続き

不動産を取得した日から60日以内に、「不動産取得税申告(報告)書」を不動産所在地管轄の都道府県税事務所に提出します。
住宅用土地等を取得した場合の軽減措置を受けるには、軽減申請書に必要書類を添えて、都道府県税事務所等に提出しなければなりません。

必要書類
不動産取得税申告書(不動産取得税減額適用申告書・不動産取得税課税標準の特例適用申告書と同一の用紙です)
売買契約書(写し)又は売買代金領収書(写し)も併せて提出
住宅の登記事項証明書など(登記事項証明書はコピー可)

※都道府県で必要書類が異なることがあります。都道府県の税務事務所にお問い合わせください。

ケーススタディ

ケース1 不動産取得税の軽減が可能な場合 
平成30年に自己居住用の中古マンション(平成20年築・課税床面積70m2・共有持分土地面積50m2)を取得した場合の不動産取得税はいくらになりますか?土地の固定資産税評価額3,000万円、建物の固定資産税評価額1,000万円と仮定します。


中古住宅の軽減を受けられる条件に適合するため、下記のとおりとなります。

建物の不動産取得税
(1,000万円-1,200万円) × 3% = 0円

土地の不動産取得税
●控除額の計算
A=45,000円
B=(3,000万円/50㎡) × 1/2 × (70㎡×2) × 3% = 126万円
※70㎡×2=140㎡  140㎡<200㎡  ゆえに140㎡
A・Bのいずれか多い方ですから、土地の控除額は126万円となります。
●土地の不動産取得税
(3,000万円 × 1/2 × 3%) - 126万円 = 0円

以上より、このケースの場合、不動産取得税はかからないことになります。


ケース2 不動産取得税の軽減が受けられない場合
自己居住用の中古マンションを取得したのですが、耐震基準に適合していません。不動産取得税の額はいくらになりますか?
建物の固定資産税評価額1,000万円、土地の固定資産税評価額3,000万円です。

中古住宅の軽減を受けられる条件に適合しないため、下記のとおりとなります。

建物の不動産取得税
1,000万円 × 3% = 30万円

土地の不動産取得税
3,000万円 × 1/2 × 3% = 45万円

以上より、このケースの場合、不動産取得税は合計75万円となります。
 

Q&A

 登記簿上の床面積が48㎡のマンションを購入しましたが、不動産取得税軽減の特例をは受けられませんか?

 不動産取得税の軽減の特例は50㎡以上240㎡以下の床面積に対して適用されます。
この場合の床面積ですが、マンションの床面積は共用部分を按分して専有部分に加算した面積が基準になります。
これを課税床面積といいます。

そのため登記簿上の床面積が48㎡でも50㎡以上の基準を満たす可能性があります。
固定資産税評価証明書で”現況床面積”の欄が50㎡以上であれば不動産取得税の軽減の特例を受けることができます。

 不動産取得税の軽減特例を受ける60日以内の手続きの仕方は?

 「不動産取得税課税標準の特例適用申告書」というものがあります。これには家屋用と土地用の2つの書類があります。
書類はいずれもその取得の日から60日以内に都道府県税事務所に対して提出しなければなりません。
通常都道府県税事務所では登記時の情報から、不動産取得者に申告書を送ります。
新築等の場合、すでに建築業者等から提出された書類等から軽減措置の処理がされていることがあります。
納税通知書が送られてきたら、これが適切に処理されているかどうかチェックしてみてください。
万が一軽減が受けられるのにこの処理がされていなければ、ただちに上記の申告書を提出してください。
期限後であってもその申告が認められないという制度ではありません。

 不動産取得税の住宅特例でいう”セカンドハウス”とはどのようなものをいいますか?

 ”セカンドハウス”とは別荘以外の家屋で「週末に居住するため郊外等に取得するもの、遠距離通勤者が平日に居住するために職場近くに取得するもの」などをいい、「毎月1日以上居住の用に供するもの」とされています。

Q 各種マイホームの特例の要件である「50㎡」の意味は?

 専有面積と登記面積
分譲マンション等の区分所有建物ではパンフレット等に記載されている専有面積と登記面積は異なります。
パンフレットの専有面積は壁の中心(壁芯)を基に計算をしますが、登記簿上の面積は内法(うちのり)によって計算をします。
従って登記簿上の面積はパンフレット上の専有面積より少ないことになります。
各種税法上のマイホームの特例は登記簿上の面積で判断します。
専有面積50m2をわずかに上回っているマンションは要注意です。登記簿上の面積が50m2未満の場合があります。


床面積(延床面積と課税床面積)

各種不動産の税金には軽減の特例が設けられており、この特例を受けられる一定の条件の一つとして床面積基準がありますが、ここで言う床面積とは延床面積のことです。
戸建やマンションのメゾネットタイプの場合には各階の床面積(登記面積)を合計したものが延床面積です。
一方マンションの固定資産税・不動産取得税上の床面積は共有部分を加算した床面積を課税床面積として税額を求めます。
この明細は固定資産税評価証明書により知ることができます。

 新耐震基準に適合していることの証明方法は?

 手続方法
①住宅の所有者が、新耐震基準に適合することまたは過去に耐震改修を実施して「新耐震基準」に適合させた住宅であることについて、建築士(登録事務所に属する建築士に限ります)等に耐震診断を依頼し、建築士等が新耐震基準に適合すると認めた場合には「耐震基準適合証明書」を発行してもらえます。

②申請者は原則として売主とされます。ただし、何らかの理由により申請者が売主以外の場合は、各税務署に確認が必要です。
③所有権の移転の日(引渡しの日。例えば所有権移転登記日)までに証明書を取得していることが要件となります。
④証明書及び住宅性能評価書の有効期間について 証明書に係る調査終了日又は住宅性能評価書の評価日から対象住宅の取得日(所有権の移転の日)までの期間は最大2年間とされています。

証明書の種類
①住宅ローン控除制度、特定居住用財産の買換え特例、相続時精算課税選択の特例、住宅取得等資金の非課税制度を受けるための証明書(国土交通省告示第394号様式)
②住宅用家屋の所有権の移転登記等に係る登録免許税の軽減措置を受けるための証明書(登録免許税関係・国土交通省住宅局長通知—別添4様式)
③中古住宅の取得に係る中古住宅及び中古住宅用の土地に対する不動産取得税の特例措置を受けるための証明書(国土交通省告示第385号様式)

 既存住宅売買瑕疵保険とは?

 既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度です。
住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受けます。
既存住宅売買瑕疵保険に加入するためには、住宅の基本的な性能について、専門の建築士による検査に合格することが必要です。
後日、売買された中古住宅に欠陥が見つかった場合でも、補修費用等の保険金が支払われます。

保険商品としては、下記の2つのタイプがあります。

1.宅建業者販売タイプ(宅建業者が売主の場合)
宅建業者が、買主に対して負担する瑕疵担保責任を履行することによって生じる損害について保険金が支払われます。

2.個人間売買タイプ(一般の方が売主の場合)  
第三者の検査機関が、個人間での売買の対象となる住宅の検査を行い、売買後に隠れた瑕疵が発見された場合には、その検査機関に補修費等の保険金が支払われます。

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